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2017年05月03日

彼女の色に届くまで

似鳥鶏の「彼女の色に届くまで」という小説が、“お薦めの本” になっていましたので、買ってきました。




似鳥鶏のデビュー作は、2007年発表の「理由あって冬に出る」です。



この作品は、“市立(いちりつ)高校シリーズ” として若者を中心に人気となり 、シリーズ累計で20万部を突破したとのことです。


ちなみに、タイトルの「理由あって冬に出る」の「出る」は「幽霊(が出る)」のことです。


そして、似鳥鶏作品で、広い世代に知られているものはと言うと、TAKAHIRO・武井咲主演でドラマ化された「戦力外捜査官」シリーズでしょうか。



私もこの作品名でピンときました。

こちらの「戦力外捜査官」シリーズは、シリーズ累計で22万7000部を突破しているようです。


このように似鳥鶏の作品は、ほとんどがシリーズ化となります。


その一方で、今回の「彼女の色に届くまで」は、短編集です。


全五章の構成ですが、ストーリーが各章ごとに完結しています。

その上で、ミステリーなのです。


主人公(ワトソン役)は高校美術部の部長・緑川礼。

そして、探偵役が、緑川の同級生である女子高生・千坂桜、


  芸術の才能までをも併せ持つ、天才少女です。


緑川は、千坂桜のことを「最初から持っている人間」と言います。

一方の緑川は、「平凡」のスパイラルから抜け出せない人です。


この “持っている人” と “凡人” の対比が、小説全体を通して、最後まで重要なポイントになってきます。


物語は、緑川が学校内で、美術作品絡みの事件に巻き込まれたことで始まります。

その事件を千坂が “美術作品を調べることによって” 解決するのです。


その後も二人は、幾つかの事件に巻きこまれますが、すべての事件を解く鍵は “名画” にあります。


小説内には、名画に関する注釈も設けられていて、この「名画で謎を解く」という設定自体が、まず面白いです。


ですが、本当の面白さ(?)はそこではありません。


この小説全体の構成は次のようになっています。

  ・第一章・第二章 ⇒ 高校編
  ・第三章     ⇒ 大学編
  ・第四章・終章  ⇒ 社会人編

高校生だけで終わるのかと思っていたところ、二人が成長していき、短篇集のわりに意外と壮大なストーリーであることに、まず驚きます。


そして、その各章毎のストーリー(事件)が、最終章で繋がります。


そして、“大どんでん返し” をむかえるのです。


詳しくは書きませんが、“びっくり” というよりは、悲しい “どんでん返し” です。



posted by おは子 at 16:18| 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする